べっちょない日々

作家の末席を汚しつつ、しぶとく居座る浅田靖丸のブログ

太った


 恥を忍んで申し上げる。
 太ったのである。
 体重が80キロオーバー。
 体脂肪が30%オーバー。
 ふたつの数値が、ともに大台を超えてしまったのである。
 太り始めたのは何も今に始まったことではないのだが、さすがにこれはやばい。
 体が重い。
 原因は分かっている。
 暴飲暴食である。
 特に、酒だ。
 今年に入ってから、ひどい宿酔いのとき以外は、ほぼ毎晩飲んでいるんじゃないかと思われるほど飲んでいる。
 老婆にも劣る速度で歩くという、「スローウォーキング」なる私の発案した歩き方も、続けてはいるのだが、まったく効果はないようである。
 体重もやばいが、それにも増して体脂肪がやばい。
 30%。
 私の体の三割は脂肪なのである。
 三割と言えば、野球選手で言えば強打者であろう。
 三冠王達成で最優秀選手で沢村賞受賞である。(すまぬ。当方野球に関してはまったく無知であり、たとえが当たっているかどうかが分からない。なら書くなよ、ということは私も分かっている)
 ああああ。
 私の脂肪はそんなにも猛打者なのか。
 いてまえ打線なのか。
 王貞治に並ぶのか。(繰り返すが、私は野球にはてんで無知なので、いてまえ打線が何なのか、王貞治氏がどれほどすごいのか、まったくピンと来ない。なら書くなよ、ということは私も分かっている。分かっているのだが……指が勝手に……)

 ということで、最近、ジョギングを始めた。
 いや、ウォーキングの合間にジョギングを混ぜ始めた、というのが正しい。
 例のごとく、毎日やると決めるとやらなくなるので、時間があり、天気が良く、気が向いたときだけしか行っていないのだが。
 しかし、ジョギングがこれほどできないとは思っていなかった。
 走ってみようかな? と思ってから、実際走り出すまで、ちょっとタイムラグがあるのである。
 どういうことかと言えば、走るってどうするんだっけ? というところから思い出さないと走れなくなっているのである。
 驚きである。
 盗塁王にはなれないのである。
 自分が運動音痴なのは知っていたが、これには正直、情けなくなった。
 走り方を忘れるか?
 鈍くさいにもほどがある。
 しかし、ジョギングを始めてから、ウォーキングのときに私をあれほど悩ませていた「かかと腱鞘炎」の症状が、不思議と軽くなった。
 何故だろうか。
 そんなに私の歩き方は間違っているのだろうか。
 だが、歩き方が間違っていて走り方は正しいなどということがあるのだろうか。
 どっちも間違っているのだが、その間違い方が少しずれていて、何かの作用で相殺されているということだろうか。
 ううむ。
 謎である。
 自分の鈍くささが、謎に謎を重ねているような気がする。
 じゃあその謎を解いてやる! じっちゃんの名にかけて!
 ……ダメだ。
 ギャグも滑っている。
 脂肪のせいだ。(そうか?)

 とまれ、ジョギングは少し続けてみようかと思っている。
 目標は、体重5キロ、体脂肪10%減。
 とか肩に力を入れてしまうと折れるのも早いので、その辺りを目指しつつ、まあのんびりと、という感じで。
 我ながら面倒くさい男である。

 夜、西脇の市街を、酔っぱらいが千鳥足で歩いているのか、それとも、酸欠で苦しいのか、いやまさか、ひょっとして走っているつもりなのか、という風によれよれと移動している男を見かけたら、それはおそらく私である。
 見かけたら声をかけてやってください。
 もしそのときあなたが車に乗っていれば、「乗せてください!」と泣いて懇願するかも知れませんが、そのときは乗せてやってください。(痩せる気あるのか?)