花粉症怖い
世の中を騒がせている話とまったく関係ないことで恐縮なのだが、今年、とうとう花粉症になってしまったのである。
花粉症。
実際に自分がかかるまでは、正直なめていた。
周囲にも花粉症にかかっているひとはけっこういるが、みな大げさにつらいアピールをしてるだけなんじゃねーの? くらいにしか思っていなかった。
しかし、これは確かにつらい。
しんどい。
自分がかかってみて、初めて分かった。
全国の花粉症のみなさまには謝罪せねばならない。大げさとか言ってすみません。
まず、鼻水が止まらない。これは本当にびっくりした。特に症状が出始めてからの数日間がひどかった。ティッシュを丸めて鼻につめても、ものの数分でぐっしょりと濡れそぼり、その先端から鼻水が垂れるというありさまだった。(汚い)
滝のような鼻水は幸い数日で収まったが、それからも大変だった。
とにかく全身がだるい。だるくて何もする気が起きない。一日中ずっと眠たい。頭がぼーっとする。なにも考えられない。
ただただ椅子に座ったまま中空に視線をさまよわせ、くしゃみをして鼻をかむ。そんなことをしているだけで一日が終わるのである。
しかしよく考えてみると、私は花粉症になる前から、日がな一日何もする気がなくてぼーっとしており、中空に視線を漂わせながら、あー眠たいなーと、ぼんやり思っていただけなのである。
花粉症になろうがなるまいが、なにも変わらないのである。
いや、私は知らぬ間に、遠い昔からすでに花粉症にかかっているのかも知れない。季節にかかわらず年中飛んでいて、私を怠惰にさせる作用を持つ花粉だ。傍にいる妻はかかっていないようなので、私だけがその花粉にひっかかる特異なアレルギーを持っているに違いない。その花粉はおそらくまだ医学的には発見されていないだろうから、仮に「ナマケモノ」と命名させてもらう。
私はおそらくその「ナマケモノ」花粉に対するアレルギーを幼いころに発症しており、そのせいでぼーっとした状態で長年生きてしまっているのである。
しかし周囲の者はそのことに気が付いていないので、まるで私自身がナマケモノであるかのように認識するのだ。
なんと恐ろしいことであろうか。
これぞまさしく冤罪である。濡れ衣である。
どうかみなさまには、悪いのは私ではなく「ナマケモノ」なのだという正しい認識を持っていただきたい。
とまれ、その「ナマケモノ」のぼーっと加減と、花粉症のぼーっと加減は、あきらかに違う。
「ナマケモノ」のぼーっと加減を「-10」とすると、花粉症のぼーっと加減は「-50」はいくだろう。いや、「-100」くらいまでいくかも知れない。
そもそもスタートがマイナスなんだからあまり変わらないんじゃないかと思われる向きもあろうが、同じ便でも便秘と軟便は違うように、あるいは同じ寂しい頭髪状況(断じてハゲではない)でも前からくるのとてっぺんからくるのとでは違うように、同じマイナスでも10と100ではまったく違うのである。
なんだその例えは。
オラ、書いてて泣きそうになってきたぞ。
そういうわけで、ひどい花粉症にかかってしまった私は、ひとまず病院へ行き、薬を処方してもらい、服用する生活になった。
始終マスクを着け、ワセリンを鼻の周りに塗ればよいと聞くと塗り、ヨーグルトがよいと聞くと食べる。鼻うがいもする。
ちなみに、前回の記事にも書いたアストラルパワーは、なぜか花粉症には効かないようである。
鼻と口の周りを覆うようにアストラルマスクを張るのだが、花粉はそのマスクを華麗にスルーして侵入してくるのである。
ひょっとしたら、不運とか厄難とか、花粉とは違う別のなにかをアストラルマスクは防いでくれているのかも知れないが、そのなにかがなにか分からないため、効いていないと判断せざるを得ないのが現状である。金運は防がなくていいぞ。
アストラルパワーは今のところ、ハゲ、じゃなかった寂しい頭髪状況の改善にも効果を発揮している様子がない。しかしこちらはもう少し気長に経過を見る必要があるだろう。頼む、気長に見るから効果を発揮してくれ。切実なのだ。
そんな風に気を付けていても、外に出ればくしゃみは出るし鼻水も出る。ひどいときは頭痛まで出る始末である。
あと、腰痛もあるし、足もくさい。頭髪状況は相変わらず寂しいまま(だから断じてハゲではない)だし、腹だけはますます出っ張ってくるし、最近は老眼も入ってきた。
すべて花粉症のせいである。
そうじゃなきゃヤだ。