べっちょない日々

作家の末席を汚しつつ、しぶとく居座る浅田靖丸のブログ

あつさのせい


 このところ、いろいろ失敗が続いている。
 Facebookにも書いたが、冷えピタをおでこに貼ったまま書店に行ってしまったのが、今から二週間ほど前のこと。
 思えば、それが皮切りだった。
 それから、おかしなことばかりが続いているのである。
 まず、風呂。
 風呂に入ろうと思って腰を上げ、移動しているあいだにそれを忘れてトイレに行ったりして戻ってくる、なんてことはしょっちゅうだし、いざ風呂に入っても、ボディシャンプーと間違えて頭髪用のシャンプーで体を洗ってしまったり(すぐに気が付いて洗い直したのだが、そのあと肌が妙ににゅるにゅるしていた)、一度洗顔したのを忘れてもう一度してしまったりするのである。
 風呂上がりも油断できない。
 先日などは、風呂から出てせっかくすっきりしているのに、ふと気付くと台所で食器を洗っていた。
 恐ろしいことに、このとき私は、食器を洗おう、とはまったく意識してはいなかったのである。
 失敗はまだある。
 こないだ、パソコンに向かって仕事をしているとき、携帯電話にメールの着信があった。
 しかし、そのとき私は、何を思ったのか、パソコンのメールソフトを立ち上げてしまった。
 当然パソコンには誰からもメールが届いていない。私はひどく混乱し、何故私はメールがきたと勘違いしてしまったのだろうか、幻聴か、聞こえもしない音を聞いてしまったのか、と狼狽した。
 おかげで、携帯へのメールだったということに気付くのに、かなりの時間を要することになった。

 さらに一昨日には、洗濯機に洗剤を入れないまま衣類を洗濯してしまった。
 私がそのことに気付いたのは、干した洗濯物を取り込んでいたときだった。
 その日は、今まで使っていた洗剤が切れていたので、新しい洗剤を使おうと思っていた日だった。慌てて確認すると、その新しい洗剤は、まだ新品のままだった。
「遅かりし由良之助や!」私は天を仰ぎ、泣く泣く洗ったばかりの洗濯物を再び洗濯機の中に放り込んだ。

 それもこれも、すべて暑さのせいである。
 暑すぎる。
 暑すぎて頭がぼうっとしているのである。
 普段からぼうっとしている頭が、余計にぼうっとするのである。
 決して加齢のせいや、天然のせいではない。
 暑さのせいなのである。

 ということで、最近私の頭の中でヘビーローテーションで流れ続けている曲をお聴きください。
 大滝詠一で「あつさのせい」

 

 うむ。何もかも暑さのせいなのである。