七夕はライブ三昧
前回の記事でも触れさせてもらったが、去る七月七日、播州織工房館にて開催されたゆかた祭りに、バンドで出演させていただいたのである。
このイベントには毎年参加させてもらっており、今回で三度目か四度目(あるいはそれ以上か? まったく思い出せない。確かなことは、初めてではないということだけである)の出演となる。
祭りは、回を重ねる毎に規模も大きくなり、来客数も増え、なかなか盛況のようである。
それにならって我々の演奏の腕前も上がっていけばいいのだが、なかなかそううまくはいかない。
そもそも、本番が決まらないと練習しないというぐうたらな活動のため、腕前が上がる余地がないのである。
今回も、「やれやれ、じゃあそろそろ練習するか」と重い腰を上げたのが六月の始めで、バンドで音を合わせたのも僅か四、五回という状態で本番に臨むことと相成った。
しかし断っておくが、やる気がないわけではないのである。
やる気はあるのだ。
やる気はあるのだが、暑いし面倒くさいし酒が飲みたい、という分厚く高い壁が常に眼前にそびえ立ち、我々の行く手を阻むのである。
そんな中、我々は、くじけそうになる気持ちを互いに支え合って奮い立たせ、次々と現れる困難な問題を勇気の力で打ち破り、傷だらけになりながら、しかし決して諦めず、とうとう本番の日を迎えたのであった。
駄目だな私は。これでは少年漫画の原作の依頼とかはきそうにないな。表現がチープというか、手垢の付いた言い回ししかできていないというか。
そんなことはどうでもよい。
とまれ、そんなこんなで今年も本番を迎えたのである。
今年も本番前から酒を飲んでのライブであった。
というか、前日のリハーサル終わりから、ずっと飲んでいた。
ここまでくると、ライブのために酒を飲むのか、酒を飲むためにライブをするのか、よく分からなくなってくる。
どちらでも同じようなものではないかとも思う。
そして行われたライブの本番は、準備不足は否めないものの、まあまあ、なかなか、ほどほどに、言うほど良くはないけど、そんなに悪くもないんじゃないの? という感じであった。
自画自賛である。
褒め殺しかも知れない。
褒めすぎてかなり恥ずかしい。
ライブが終わると、今度はフォルクスガーデンへ移動する。
夕方からそこでジャズライブがあり、それを聴きに行くという予定だったのだ。
演奏されるのは美市川善久氏が率いるカルテット。
驚くべきことに、この美市川氏は、かの楠木正成公の末裔であるという。
実は私は、自分の本にもこっそり出したほどの楠木正成好きである。
良く覚えていないが、確か、静流というキャラクターの夫として出てもらったのだ。
覚えておけよ。
というわけで、妙な親近感を勝手に覚えつつ、演奏を堪能する。
さらに驚くことに、そのライブは、当日受付で集めたリクエストを、その場で演奏するというスタイルだった。
即興性が重視されるジャズならではのスタイルだが、ここまで極端なのは初めてだった。
途中、キーが合わなくてやり直したりした曲もあったが、それでますます盛り上がるのだから、ジャズのライブは楽しい。
もちろん、このときも飲んでいる。
そして晩飯に、行きつけのイタリアンレストランに寄って、そこでもしこたま飲んだ。
やはり、飲むためのライブなのかも知れない。
飲んでばりでは水分不足になり熱中症になりかねないので、気を付けねば。
反省する箇所が違うかも知れない。