べっちょない日々

作家の末席を汚しつつ、しぶとく居座る浅田靖丸のブログ

俺氏、掃除機を買う


 掃除機を買い換えたのである。
 いつだったか、コードは勝手に巻き取られるし、タイヤがいかれて本体がついてこないし、ノズルはすぐ抜けるし、電源部が割れるしでボロボロになった掃除機を買い換えたいという記事を書いたが、それをようやく果たしたのだ。
 調べてみると、その記事を書いたのは昨年の四月だった。
 およそ一年前である。
 時の流れの速さには愕然とするが、それ以上に、あれから一年も掃除機を買い換えずにいられたことに驚く。
 何故一年も使っていたのかと言えば、それはひとえに私の「ええ加減さ」のせいである。
 掃除機を使っているあいだは、「ああ、もう、くそっ使いづらいな。絶対買い換えてやる」と思っているのだが、使い終わった途端そのことを忘れてしまうのだ。
 ええ加減というより、馬鹿なのかも知れない。
 そしてまた使ったときに、「ああ、もう、買い換えてえ! つか、こないだも同じことを思ってたはずだった!」と気付くのである。
 それを一年ものあいだ繰り返していたのだ。
 ううむ。
 我ながら、己れの馬鹿さ加減が恐ろしい。

 とまれ、このままでは一生掃除機を買い換えられないと悟った私は、一計を案じた。
 簡単なことである。
 使い終わった途端買い換えるのを忘れてしまうのなら、使っている途中、覚えているときに注文すればよいのだ。
 かくて私はある日、掃除機をかけながらネットを起ち上げ、掃除機を検索して、検討に検討を重ねた末、ようやく注文するに至った。
 長く辛い、そしてうるさい戦いであった。(掃除機かけながらの検討だったのだ。電源切ってから検討しなさいよというツッコミは甘んじて受け入れる)

 そしてとうとう、新しい掃除機がやってきた。
 早速使ってみる。
 いい。
 コードが勝手に巻き取られない。(当たり前である)
 本体がついてくる。(当たり前である)
 ノズルが抜けない。(当たり前である)
 電源部が割れていない。(当たり前である)(なんか書いてて涙出てきた)
 それになにより、作動音がとても静かで、本体もかなり軽い。
 感動である。
 掃除機って、こんなに進化していたのかとびっくりする。
 さらに、吸い込み口にライトがついていて、床面を照らしてくれる機能まで付いているのである!。
 暗い場所でもこれでバッチリさ!
 快適に、効率よくゴミを吸い取るぜ!
 楽しすぎておかしなテンションになる……のもつかの間、部屋の隅の暗い場所にけっこうホコリが溜まっているのを発見して、「こんな汚部屋で暮らしていたのか……。いっそ見たくなかった……」とヘコむ。
 難儀な性格である。

 とにかく、新しい掃除機がきたのである。
 とてもよい。
 これなら毎日使うかも知れない。
 うん。
 言い過ぎた。
 でもそれぐらい快適だって言いたいだけなんだから、いいじゃないか!(何故か逆ギレ)